異国の料理を教えるということについて、悩んでみた。

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私がタイで教わった師匠のお陰にて、うちは、かなぁり、本格派、ヘタしたら現地の屋台レベルよりキチンとした味のレシピです。
なので今でも材料を可能な限り本場と同じものを専門食材店から取り寄せて、生徒さんたちと一緒に「これは何で代用できる?」と、考えて意見を交わしていただくやり方でお教えしています。

お陰で毎回、やれ、変な葉っぱがいきなり輸入禁止になっただの、ハーブの生育が悪くてお店に入荷しなくなっただの、歯を食いしばりながら仕入れに駆けずり回っておりまする。余談ですが。

が。この料理は、悩みに悩みぬいて、ジャパンバージョンでお教えしました。

カノムチーン・ナームヤー・ガティ という、タイ中部で昔から食べられている麺料理。

細い麺に お魚のダシがたっぷりのカレーソースをかけて、生野菜やハーブと一緒に、お皿の上で混ぜ混ぜしていただきます。





e0159569_154896.jpg まず、麺からして、ジャパン。
本場では、まさにカノムチーンという名前の生ビーフンなのです。

一応、日本でも乾燥のものはありますが、やはり生麺をそのままいただくのと一度乾燥させたものをまた戻して茹でて使うのでは違いますから、私は日本のおそうめんを使いました。

実際、日本人は、現地でカノムチーンを食べると
「なんだ、この茹ですぎて気の抜けたようなたソーメンみたいな麺は!」と怒りたくなるらしいし。(笑)





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肝心の、カレーソースも、ジャパンバージョン。普通のスーパーでも手に入りやすいオサカナを使います。

私の師匠のレシピでは、 ぶつ切りにして茹でた雷魚を茹で汁ごととか、発酵臭漂う魚の塩水付けを焼いたやつとか使っていましたの。

でも・・・・・ねえ。 雷魚。

雷魚やなまずは、扱いが難しい。
美味しいお店では、キレイなお水の生簀で飼って、注文をもらってから脳天をど突いて昇天させ、それから調理にとりかかるという程、臭みが出やすい。
塩魚も、手に入らない事はないけれど、キレッパシのくせにかなりお高いし、このカレーソースを作るのにこの魚の匂いが本当に必要かといわれると、私的にはnoなので。





タイで教えていた時には、それこそ皆さん、本場本物のレシピを求めて習いにこられるので、ばっちり「これがタイなのです」とお教えしていましたが
日本人である私が、日本で、日本人に、異国の料理を教える時には、本場でいくか、手に入りやすい材料でお教えするか、ずうっと悩み通しています。

例えば唐辛子。タイの唐辛子を使わないと、タイ料理にならない。
バジルも、今や普通のスーパーでも市民権を得ているイタリアンバジルをタイ料理で使うと、途端にイタリアン・タイになってしまう。
レモングラスが手に入らないから何かで代用といっても、カレーペーストには絶対にレモングラスは必要だと思うから、例えば香りはレモンなんだからレモンの皮やらには、したくないのです。
だったら市販のカレーペーストを使えば万事決着がつくものの、自分で配合してフレッシュハーブを使ったカレーペーストのウマさは是非みんなに知ってもらいたいから、ペーストから教えちゃう。


が。
この料理みたいに、発酵した魚の塩気と香りは、タイの、あの、べたりとまとわりつくような熱気と湿気の中で食べて美味しいものの、日本の穏やかな気候では逆にその匂いがシツコイじゃないかと考えたり。

淡水魚を食べる習慣のあるタイだから雷魚を使うのであって、海の魚で美味しいものがたくさんある日本で、わざわざ扱いの難しい淡水魚を使う意味があるのかとか思っちゃったり。


美味しく作れる、食べられるというのが、 本場の味だの何だのよりも大切なのだ。
・・・と思いながら、未だに代用と本場もんとの狭間で大いに揺れ動くセンセーなのです。(汗)




それにしても。

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この料理の添え物として出した、生のモヤシとか生インゲンとか、普通に「パッタイ(タイ風やきそば)でも生もやしがついてくるよねー」とか、ごくごく自然に受け入れてくれる 、うちに来てくださる生徒さん皆さんって。

立派にタイ料理上級者です。




ありがとう、毎回美味しいと言ってくださって。
センセー、これからも精進いたします。
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Commented by b-nomad at 2010-10-01 16:44 x
ピーナッツソースか何かかと思いきやカレーなんですね。
雷魚って久しぶりに聞いて反応してしまいましたが、子供の頃、父が大きな樽で雷魚を2匹買っていました(汗)知らない間に食べさせられてたんだろうか?と今更不安になりました。あれは食べられるんですねぇ。

↓のタピオカ包み、おいしそうですね。唐辛子抜いたらわたしにも食べられるか?(笑)
Commented by salaisara at 2010-10-02 22:08
nomadさん。そういえば、ピーナッツソースも面倒なので最近作りませんでしたよ。あー、来年の「肉焼きタイ」でやろうっと。(謎)
nomadさんのお父様、やはりツワモノですね。雷魚はヤバイです。人間の指くらいは噛み切るらしいです。・・・それを、水をすこぉしだけ張ったバットに大量に入れて売っているタイ人もすごいですけど。(雷魚は空気呼吸も出来るらしいっす)

タピオカ包み蒸しは、そうさね、nomadさんでも食べられるかも。パクチーの香りはばっちりです。(笑)
Commented by おぐしみき at 2010-10-02 23:52 x
チエリさん、私もこの料理は日本バージョンでお教えしました。
カノムチーンの代わりは、ベトナムのブンにしましたが。
私の私見ですが、
そうめんだと、歯ごたえがよすぎるように感じるのですねぇ。

魚。なまずは常備しているのですが、雷魚は冷凍があるのですが価格的にも割に合わないので使いずらいです。
ベトナムでのレッスンで、ぶつ切りしたことありますが、
ぬるぬるしてて気持ち悪かった記憶が。
ベトナムの先生は、海の魚は味が薄くておいしくないって
おっしゃってましたよ。
環境の違いって、おもしろいですね。
Commented by ブチョウ at 2010-10-03 19:41 x
センセー。バンコクより帰ってまいりました。
もう大満喫ですよ。その様子はチビチビ更新しますが、、、

カノムチーン、サクーサイムーも食べましたよ~。

そして、やっぱりセンセーの凄さを実感しましたよ。
センセーってすごい!!

今回は、屋台デビューもしましたし、グリーンカレーとタイスキ以外のタイ料理をたくさん楽しめて、大満足でした。
Commented by mami41m at 2010-10-03 21:22
せんせー!それは、多かれ少なかれ、日本におけるアジア料理講師達はみんな悩むところでしょうね。私もいつもそこにぶち当たっては悩み・ぶち当たっては悩みの繰り返しです。手に入りにくい物ばかりだと、作れない。アレンジしすぎると現地味とは程遠くなる。気候の違う日本で味わって、美味しい料理に仕上げて、どこをどう手に入りやすい素材に変えて、どれを譲れない物と判断するか。それをチョイスするのかは結局、教える人それぞれのセンスなのかな。それが一番難しんだけどね~ すっごくわかる~
けれど、今回の料理は、習いに行って食べて確認したから言うとせんせーので正解だと思ったよ。美味しかったからもうすでに、復習したくらいですわ。
Commented by cosdina at 2010-10-04 13:22 x
私もレシピをアップするとき、
「これ日本にないよな~」って
思うこと多々ありです。
気候と料理は密接に関係しているから、
日本で食べたら、これ、重たいだろうなぁって
思うことも。
日本で教えるとなると、ホント悩めると思います!!!

Commented by salaisara at 2010-10-04 14:15
みき@おねいさま。麺は、確かにそうめんだと切りづらいし俄然コシが強いです。でも、私自身、カノムチーンを「おにょれ、こんなにムチョムチョに茹でおって」と思っていましたし。(笑)
・・・だったら、ペーストにクラチャイまで揃えるなよという話にもなりますが、これはあの香りは是非私にとっては必要不可欠なのです。

雷魚はねー。怖いですよー。姿蒸しとかよくやりましたが、生だとヌルヌルで見てくれも「大蛇じゃー!」です。でも、ホカホカの蒸し物は美味しいのよ。人間って、怖いですねえ、おほほほ。
Commented by salaisara at 2010-10-04 14:25
ブチョウ。おお、お帰りなさい。散々っぱら食べてきましたか。プールには入れるお腹になる時間はなかったとみた。(爆)

センセーも、こうやって壁にガンガンぶち当たりながら、美味しいものが何時でも作れるようにがんばっております。これからもよろしくねん。
Commented by salaisara at 2010-10-04 14:26
まみせんせい。これ、作ってくださったのですか。うれしいっす。しかも、お褒めのお言葉までいただいて、感激でございます。

そうなのよねー。遊びで作って「これに代用したらウマカッタ!」というのも結構あるのですが、特にうちの「お腹を空かせた子供たち」は本格志向というのもあり。
あ、でも、確実に、私、日本に帰ってきてからタイ料理で使うニンニクの量をセーブしています。といいつつ、それでもレッスンが終わった後はニンニク臭いですね。(苦笑)
Commented by salaisara at 2010-10-04 14:31
cosdinaさん。日本はさ、手に入れようと思えば何だって手に入っちゃうのさ。でも、普通に近所のスーパーで手に入れようとすると難しいのさ。
本場仕込みを歌ったレストランでナンチャッテが出てくるとむかつくけれど、(特に現地で修行した)センセーが「これで代用します」と言えば、いくらでもナンチャッテを教えられるのさ。むーずーかーしぃ~!
と、いいつつ、美味しいと言われるたびに舞い上がるアタクシは、教えることをやめられないのです。(爆)
Commented by クルーズ ブログ at 2010-12-17 12:29 x
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by salaisara | 2010-10-01 16:05 | ごはんもの | Comments(11)